第11回 コンサルタント、ワークショップとの付き合い方

コンサルタントってこんなにもいるの?

岡田准一さん、山田涼介さん、ウド鈴木さん、三宅裕司さん……。
移住してからのほうが、大阪にいたときよりも芸能人に会う(見かける)機会が増えました。町ぶらロケや映画の撮影など、岡山屈指の観光地をいくつも抱える真庭市だからこそ。映画の撮影班に電源を貸して、ブレーカーが落ちたこともありました(笑)。

それと同じぐらい、移住してよく見るようになったのが、コンサルタントです。「世のなかにこんなにもたくさんいるのか!」と驚くほど。

移住してから「少しでも地域のためになれば(ムスメたちのためにも)」と、あれこれ活動していると、役場をはじめ、いろんな団体から声がかかります。「今度、地域の今後を考える勉強会があるんですけど来ませんか?」と。

地域のためならば、となるべく参加を心がけています。そして、そういう勉強会の講師としていらっしゃるのが、「地方創生」をテーマに活動しているコンサルタントです。

地域をより良くするため、空き施設を有効活用するため、地域資源を生かした特産品を開発するため。いろんなキリクチで、いろんなコンサルタントが来られます。

ほんとにいろんなコンサルタントが来られます

勉強会に集まるのは、地域の「顔役」のような方々と、若手の経営者や地域活動に関わってきたひとたち。いつも顔を合わせる面々です(笑)。まもなくコンサルタントがさっそうと現れました。

はじめて見たとき、僕は驚きました。
40代ぐらいの男性で、濃紺のおしゃれジャケットに白いパンツ。ファッション誌から出てきたのかと見まがうような、ありていに言えばイケメンでした。

やがて自己紹介がはじまります。(コンサルタントあるあるなのですが、この自己紹介がみなさんやや長めです)。しかも、スクリーンに映し出された資料もカッコいい。

話もよどみなく、「昼間にこの地域をまわらせてもらったのですが、ここにはたくさんの可能性があるなと感じました(これもみなさん仰るコンサルタントあるあるです)」と。そしていくつも全国での事例を紹介してくれます。

はじめて参加したとき、「コンサルタントがなんぼのもんじゃい」と息巻いていた僕もいつのまにか、ふむふむとその話に聞き入っていました。

コンサルタントを迎える美学

勉強会の後半は、ワークショップでした。(これもあるあるです)
いくつかのグループをつくって、それぞれに大きな模造紙を用意。そこにふせんとマッキーを置いていきます。(これもあるあるです)

「自分たちの地域の強みや、〈これは資源だな〉と思うことをどんどんふせんに書いて、貼っていってください」

これが楽しいんです。わいわいと会話をしながらワークショップを進めていきます。

さまざまなワークショップも行われます ※この写真はイメージです

――ふと。
ご年配の方々がテキパキとまわりに配慮しながら、ワークショップを進めていることに気がつきました。アイデアも積極的に出していきます。会話が途切れないよう話のパスも出してくれます。

そう言えば、さっきのコンサルタントの話でもうんうんと頷きながら、メモを取り、最後にはいくつか質問もしていました。そういう方が複数人いらっしゃいました。

そのときは特に何も思わなかったのですが、それから何度も勉強会やワークショップへの参加を重ねるなかで気づいたことがあります。

それは地域の方々には、コンサルタントを迎える「美学」があるということ。

これまで何十回も勉強会に参加して、ワークショップも重ねて、どんなパターンが来てももうすっかり慣れています。

「主催者が考えている、この勉強会の着地はどこだろう」「主催者はどういう流れにもっていこうとしているのだろう」「どういう機運を高めたいのだろう」という勘どころが働いて、なるべく阻害することなく、円滑に進むよう協力しているのです。

そこには「せっかく遠方から来てくださったんだから、気持ちよくお話いただいて、よい印象で帰路についてもらいたい」という地域の方々の「ひとのよさ」があります。

もしかしたら勉強会の本来の意義とはズレているかもしれない。でも、「なるべくコンサルタントの想いに応えたい」という地域の方々の「ひとのよさ」が僕はたまらなく好きです。

コンサルタントの方にも、この美学を知ってもらえたら、と思います。

ちなみにそれは「単発(その日限り)」で来られるコンサルタントの場合です。長期にわたって伴走されるコンサルタントはまたちょっと関わり方が違います。単発で来られるコンサルタントには、地域の方々は「ある種の美学」でもって接している、というあるあるです。

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