種から育てて自家焙煎、関東では希少なはま茶
埼玉県比企郡嵐山町。高速パーキングエリアの嵐山には休憩で何度か寄ったことがあるものの、下りるのは初めて。澄んだ空気と緑の中、車を走らせると、目印に教えてもらった「緑の瓦屋根に黒い煙突」の家が、山のふもとにぽつりとたたずみ、すぐに見つけることができました。
ベルを鳴らすと、「どんちゃんふぁーむ」の鈴木智久さん、朱美さん夫妻が笑顔で迎えてくれました。有機農業を営みながら、2人の子どもを育てて暮らしています。今は、主に智久さんが農業、朱美さんが子育てとヨガのインストラクターをしています。
鈴木智久さん、朱美さん夫妻。畑の前で
お庭の遊具も手作り
東京育ちの朱美さんは、社会人になった頃に、都会の生活に違和感を覚えて、“人間の本来の姿である自然の中で暮らしたい”との思いで転々とし、たどり着いた同郡小川町の有機農家で研修を受けることに。
その頃、隣町のときがわ町出身の智久さんは、花の栽培や林業に携わっていて、2010年に二人は出会い、翌年結婚。朱美さんが研修したことを二人で実践していましたが、子どもを授かり今の形になったそう。
智久さんも、会社員やさまざまな仕事をしたものの、“農業が自分には一番合っている”と、笑顔で育てた作物をいとおしそうに手入れをしていました。子どもたちも豊かな自然の中、野山を駆け巡って、元気いっぱいです!
私も、嵐山に滞在したのは数時間とはいえ、新鮮な空気を吸い、豊かな景色を眺めながら作物に触れていたら、心身ともに癒やされていくのを実感。“自給自足の生活で、自然体が心地よい”と話す、朱美さんの気持ちがよくわかりました。
農作物の販売以外に、加工品の販売もしています。私がおいしいと思って飲んでいた「はま茶」、なんと、どんちゃんふぁーむのもので、ビックリでした。
はま茶の原料であるカワラケツメイの畑
はま茶のほかにもさまざまなお茶や乾燥めんを加工、販売
はま茶は、マメ科の「カワラケツメイ」が原料。どんちゃんふぁーむでは種から育てて自家焙煎しており、ノンカフェインです。栽培の様子も見学させていただきましたが、青々と茂っているところから、干して乾燥させているところまでを見ると、更においしさが倍増します。他に栽培している農家は、関東などでは見かけないと思うとのことで、貴重なお茶です。
今回は、はま茶を使ったお粥をご紹介します。はま茶でお粥を炊く時になんとも良い香りに部屋中が包まれ、自然と癒やされていくのです。滋味深い「はま茶粥」、ぜひお作りいただければと思います。
【どんちゃんふぁーむ】
:facebookページ
はま茶粥
■材料(4人分)
- はま茶 10g
- 水 1.5L
- 米 1合
- あしらい(梅干し、ちりめんじゃこ、野沢菜漬けなど) 各適量
■作り方
- ① 鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したらはま茶を入れて弱火で5分煮出す。火を止めて10分蒸らしたら、別鍋に目の細かいザルなどでこす。
- ② ①を火にかけて、沸騰したら洗った米を加えて、ふたをしないで中火で20分炊き、火を止めてふたをして10分蒸らす。
- ③ 器に盛って、あしらいを添える。