その生き方働き方を描いた新刊を上梓しました
「二拠点生活を始めてみて気づきました。東京で暮らしている時は好きと嫌いのスイッチをオフにしていたって」
東京都内での暮らしから、鎌倉と都会との二拠点生活を始めたこの人(30代キャリアOL)の発言を聞いた時に、あ、これは面白い物語が書けるな、そう確信しました。
2020年11月から、自分でも埼玉県ときがわ町に超豪華7LDKの古民家を借りて始めた「二拠点生活」。当初はスカスカの下り列車に戸惑っていたけれど、今では向かいのホームにぎっしり詰まった人混みを見て「がんばれ」とるーく手を振れるようになりました。
ときがわ町では朝、自転車で信号待ちをしていると、通学途中の子どもたちの声がします。「おはようございます」。いったい誰に声をかけているのか、きょろきょろしてもだーれもいない。えっ?ぼくに挨拶してくれたの?
『トカイナカに生きる』(文春新書)6月20日発行
知らないおじさんには声かけるな。ぼくから子どもに声をかけようものなら、子どもたちは一目散に逃げていく。それが都会の常識でした。
でもこの町は違う。知らないおじさんでも挨拶する。目が合わなかったら回り込んででも眼を見つめてくる。なんて清々しい子たちなんだ。
酒の付き合いも違います。この夜はこの人に会うぞと決めたら、その人の家に行くか、トカイナカハウスに招くかしてとことん飲み、語り尽くす。だって居酒屋なんてないし、あっても帰路の心配もしないといけない。代行運転だってそうそうないんだから。
だから人間関係が深くなる。濃くなる。気まずくなるとやばいから、きちんと気を使うようになる。
冒頭に「好きと嫌いのスイッチ」という言葉がありましたが、トカイナカに移住し二拠点生活をしている人は、そういう生活を「好き」と自覚して暮らしている。都会の「便利」を捨てて、こちらを選んでいる。覚悟があるんです。一方、都会の人は、満員電車は嫌いだけれど、通勤に便利だからこの町に住むという程度の人たち。好きも嫌いも「言わないようにしている」。その覚悟の差が出るんです。
今回の本は、そんなトカイナカを回って、魅力的に生きている人の姿をテーマ別に書きました。「トカイナカで生き方、働き方を変える」「起業する」「よそ者力を発揮する」「古民家に暮らす」「ローカルプレイヤーになる」「パラレルワークする」などなど。
ぜひじっくりと読んでみてください。神山典士の還暦を過ぎた旬が、そこには味わえるはずです。
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トカイナカハウス〒355-0354 埼玉県比企郡ときがわ町番匠445
(八高線明覚駅徒歩5分)
二拠点生活メンバー募集中。
- 年間家賃 12万円+税。
- 素泊まり三千円〜寝袋泊千円〜
- 冬季は暖房代一組千円
ソーシャルシェアハウス「トカイナカ」